NWT4000(35MHz-4400MHz簡易スペアナ)使用レポート

NWT-4000使用レポート

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NWT-4000 35MHz~4400MHzのSG+簡易スペアナを入手したので別のSGを入力したときの特性を測定してみました。(入手はebayで$78で昨年購入)
これは内部の発振ICにADF4351を使ったものですが、ADF4350を使った137MHz~4400MHzも出ているので、買う人は注意してください。(周波数範囲のみの違いのようですが)

★ダイナミックレンジ
 ダイナミックレンジは大体-10dBm~-70dBmです。
 読み取り値に10dBプラスすると入力レベルとなります。
 レベルが低くなると少しズレが大きくなってきます。

★帯域幅
 別のSG自体は安定度の良いSGなので300Hz程度に収まっているのですが、NWT-4000に入れると±400KHz程度となります。
また、センター周波数で40dB程度落ち込みが見られます。


1000MHzの波形を添付します。(-20dBm入力時)
▼帯域幅確認(下で他の入力の波形添付)
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▼広域
基本波の下側に高調波(IM)が見られます。(下で他のレベルの波形を添付)
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▼各周波数とレベル表
SGでいろいろな周波数をレベルを変えて入力したときのNWT-4000での波形の最大レベルを記載。
赤はレベルが10dBづつ変化していないところを示す(飽和している)
以下に1GHzのみですが、測定した全入力レベルの波形を添付します。
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ダイナミックレンジの確認のため1GHz時の各入力レベルでの波形を添付します。
▼10dBm
飽和しているので、0dBmとかわらず。広域波形を見るとIM出まくり。
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▼0dBm
飽和してしまってるので、10dBmとあまり変わらず。広域波形を見るとIM出まくり。
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▼-10dBm
このレベルからは飽和無しで見れる。ただ、広域波形を見るとIMがたくさん出てきます。まだ飽和気味か。
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▼-20dBm
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▼-30dBm
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▼-40dBm
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▼-50dBm
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▼-60dBm
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▼-70dBm
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★高調波(IM)特性
 基本周波数より高いところは低いです。
 しかし下側にIMがたくさん出てきます。
 使用しているミキサーICはIAM-81008のようで、これのハーモニクス仕様をみるとLO周波数の2倍周波数で35dB、3倍で20dB、4倍で44dB、5倍で36dBということで、この特性がそのまま出ていると思います。したがって、今回1GHzを入れた場合 200MHz(5倍で1GHz),333MHz(3倍),500MHz(2倍) に出てきます。レベルも、ほぼこのデータに近い値ですね。
 たぶん、ICではなく、DBMをつかえば、50dB以上は見込めるのでもっと良い特性になりそうですが。

 IMの確認のため、入力レベルを変えていった波形を以下に示します。
 -20dBm以下ではほぼ入力レベルに比例してさがりますが、-10dBm以上では歪んでしまってたくさん出ていることもわかります。


▼0dBm
IM出まくり。このレベルを見たい場合は外部にアッテネータが必要。
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▼-10dBm
このレベルでもIMがたくさん出ている。ひずんでいるのかな。
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▼-20dBm
このレベルから基本波の上側のIMが問題ないレベルになる。
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▼-30dBm
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▼-40dBm
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▼-50dBm
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▼-60dBm
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★NWT-4000のSGの特性
NWT-4000のSG出力の特性を外部のスペアナに接続してしらべてみました。
大体-4dBm~-10dBmで出力されています。
また方形波なので当然ながら高調波が見られます。

しかし残念ながらTGとしては使えないです。
NWT-4000の構造はダイレクトコンパーション方式なので、入力周波数と測定周波数の差分をLPFをかけてログアンプに入力するのですが、LOGアンプはDCに対応しますが、自分自身の周波数をいれても周波数は0になってしまいます。DCカットコンデンサがはいっているので、周波数0はみれません。
見ようとするにはもう一つADF4351をつけて周波数を少しずらして(LPFの帯域に入る程度)見る必要があります。NWT-4000のADF4351の2個Verにはあるので、そちらを使う必要があります。

▼200MHz出力時に別のスペアナで観測した波形
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▼SG出力レベル周波数特性(全体)
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▼SG出力レベル周波数特性(1GHz以上)
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★回路構成の調査

NWT-4000の基板の写真を以下に示します。

入力段はミキサーIC(IAM81008相当)があり、2個のLPFを通してDCカットコンデンサ(1000pF)で、LOGアンプ(AD8307)を通してマイコンATMEL MEGA8に入力されています。

SG部はADF4351で、AchはSG出力へBchはミキサーに接続。
LOGアンプの入力のLPFは470uHと1000pFで±300KHz特性になっているようです。
LOGアンプのDCカットコンデンサ近くにあるプルダウンは1KΩなので、50Ωでなく、LOGアンプの入力で整合させているようです。

LOGアンプの出力部は1KΩの抵抗と1000pFでローパスが作られています。

LOGアンプのINT端子は未接続。OFSも未接続。

▼NWT4000基板写真
基板表
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▼基板裏
解像度の高い写真を載せておきます。

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★ツールの使い方概略
初期設定のままでは動かないので今回測定したときの設定を記載しておきます。
ツールのインストール自体は簡単で、WINDOWS10でも動いた。
設定が少し面倒で、以下の写真のように設定する。
測定されると波形が表示されますが、これを保存すると、専用形式と、CSVで波形を保尊できます。
CSVは少しフォーマットが変なので、加工してからEXCELに読む必要があります。
; を , に変更。 , を . に変更。
CSV抜粋
周波数   レベル
999996000;-19,26825
1000000000;-20,98893
1000004000;-24,81267

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★まとめ
NWT-4000は信号波形の1/N分周のところにIMがでてくるが、上側には出てこないので、これをわかった上で使えば送信調整程度には一応、簡易スペアナとしてつかえそう。
ebayではNEW 35M-4.4G USB SMA Source/Simple Spectrum Analyzer/Signal Generator ででています。
周波数範囲が35MHz(ADF4351)ではなく、ADF4350をつかった137MHzからのものもあるようなので、購入する際は注意。

SG部も方形波なので奇数倍が入っているので使いにくい。少し残念。
ただ、発振周波数は安定しているので測りたい周波数がきまっているならBPF/LPFを通せばよいかも。
残念ながらTGモードはADF4351が1個なので使えません。周波数が0になり、DCカットコンデンサーで見えない。(一瞬つかえると勘違いしました。原理的に無理ですね)
拡大時のBW幅とセンター周波数での落ち込みはLOGアンプのDCカットコンデンサの大容量化による低域改善と、LOGアンプの入力のLPFをアクティブフィルタ化して帯域幅の切り替えをやればある程度は改善できるかも。
どちらにしても、ダイレクトコンパージョン方式では低周波(ADコンバータの読み込み時間以下の)では落ち込みがある。
これについてはどこまで改善できるかやってみます。
確認ができたら書きたいとおもいます。

 そういえばEBAYでNWT4000-2 35M-4.4G ・・・・とかantenna sweeper simple spectrum analyzer generator とある方は、値段は倍以上しますが、こちらは名前からしてアンテナ調整に使えそうだし、BPFの特性図が出ている。そういえばツール上で、今回は使ってもまともに使えないSWRとか、フィルタ測定用の0校正とかIFシフトとかアッテネータとかあるのでこちらを買うとこれらがつかえるようになるのかも。( シールドが4個あるのでたぶん) 

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 次回の記事
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この記事へのコメント

7K1CRZ
2016年05月22日 17:45
自分もNWT-4000を知人から頂きました。今は使い方を勉強しているところです。ところで中華製は電解コンデンサが粗悪と聞いております。これを秋月等で売っている物に交換してみてノイズ特性が向上しないでしょうか。
2016年05月22日 22:50
7K1CRZさん
コメントありがとうございます。
コンデンサの容量アップで、電源ノイズを減らすことはダイナミックレンジを上げるのに効果はあると思いますが、やってみたのですが、あまり目に見えた効果はありませんでした。(効果は1~2dB程度のようです)
 また、この簡易スペアナの別VERでNWT-4000-2ではミキサー部分と発振IC部分がシールドケースに入っていて、さらなるノイズ対策されているようでした。こちらの方式の方が効果がありそうです。
 さて、ダイナミックレンジを少なくしている原因の一つは本レポートのその2にLOGアンプの入出力の波形(低周波時)で、周波数切替後、しばらくは周波数が安定するまで周波数が変動する波形が見られます。時間にして0.5mS~1mSなのですが、この波形がDCカットコンデンサの容量を大きくしてより低周波が通るようにすると時定数により変動時間が伸びていることがわかりました。したがって、この影響をなくすにはサンプリング時間を長くとって、頭の変動時間を無視できるようにすることが対策となるのがわかったのですが、根本対策は自分でマイコンファームを作り直すしかなさそうです(笑)
 市販品のスペアナでいうことろのBWを切り替えたり、DC方式の欠点であるセンター周波数でのレベルの落ち込みの対策、ミキサーICの欠点であるスプリアスの対策など、いろいろ課題があります。全て解決したものを作ればDC方式とはいってももっと使えるスペアナにはなりそうですが、改良していくのを楽しむには面白そうです。
7K1CRZ
2016年05月23日 06:01
詳しいコメントありがとうございます。アマ無線関連のキットで電解コンの質が悪くアンプ部が発振した事がありました。このスぺアナも電解コンは換えてみようと思います。(効果は少しでしょうが)。秋月電子で売っているものは商品の回転が早く、最新ロットらしいですよ。頂いた物が138M~4.4GHzの一番安い物らしく、トラジェネ基板も未付属で手配することにしました。元々アンテナのSWRをスペアナで測ろうと始めました。リターンロスブリッジは入手済です。0.1uFのチップコン変更の記事ですが、写真を見ると当方の基板と版数が違うようです。アナデバADF4351発振ICが2つ実装された基板はトラジェネ搭載版みたいですね。表示ソフトのDL4JALホームページを見ると色々なファームがアップロードされていますが、どれが該当するのか?分かりません。パソコンから吸い出せるように基板上にピンヘッダーは付けました。
7K1CRZ
2016年06月03日 12:12
OUT端子がTGとして使えないという件ですが、測定したい周波数の半波長のパッチコード(移相器を作る)を接続するとTGも両方使えるよ。と聞きました。両端SMA端子の同軸パッチを数種類作ってみたいと思います。SMAコネクタは秋月電子で安いですから。
2016年06月04日 22:21
NWT4000は単純に局発をOUTに出して、ミキサーICにINと局発をつないでいるだけなので、パッチコードで位相をずらすとその差分が出力にでてくることになりそうですね。もう一つ手を考えたのですが、DBMを用意してOUTをDBMのRFにつないで、LOにDBMの最低周波数(例えば10KHZ)を入れてIFを目的のフィルタに入れてフィルタ出力をNWT4000のINに接続して測定する手です。この方法ならDBMの周波数範囲でつかえるので便利そうです。ただ、DBMの2倍、3倍のスプリアスはでてきてしまいますが、NWT4000のLPFは300KHzなのでLOに10KHz~100KHzがいれられるならDBMのIFには局発周波数±LOが出てくる(スプリアスもあるけど)ので、これをNWT4000のミキサーICにいれればLOの10KHZ~100KHzにもどるのでDBMでも行けそうです。工夫すれば現状のNWT4000でもTGとして使う手はありそうですね。
7K1CRZ
2016年06月14日 21:02
お返事が遅れてしまいました。1/2λの移相器ですが、やはり同軸ケーブルの短縮率が要るようです。一般的に67%とか,,,あと分かったのですが、SG出力を使用しないときは終端器を接続したほうが良いことが分かりました。波形が変化しますよ。入手した方向性結合器が不良で苦労しましたが、そろそろ本格的に測定ができそうです。測定器のクセまで覚えるとなると、大変かも知れませんね。

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