NWT4000(35MHz-4400MHz簡易スペアナ)使用レポート その2

前回、一通りの特性確認をして、改善箇所について確認が終わったので書きたいと思います。
いまのところは基本波の下側のIMは改善できないが、帯域幅を狭くすることと、センター周波数での落ち込みについては周波数の幅は改善できました。
本レポートちょっと修正しました。対策波形を追加しました。(別のレポートにするか悩んだのですが、こちらを修正しました)

帯域について
まず、帯域幅についてはスペアナアプリでは9999ポイントが最大なので35MHz~4400MHzまで同時に見ると約400KHzステップなので今の帯域(±300KHz)でぎりぎりである。(一応ぎりぎりを考えて設計している)

前回のレポートでは基板の写真を撮り、ミキサーICの出力に470uHのインダクタ2個、と両脇にコンデンサが入っている。ためしに0.1uFをつけたら下の特性となった。当然、狭くしてしまうと広域を見るときに都合が悪いので、実際にはFETスイッチなどで切り替えてやれば良いと思う。

■0.1uFを追加したときの帯域幅
鋭い波形になるけど、センター周波数の落ち込みが目立つ。
普通のスペアナだとここは山になるので、見た目が変だけど特性上やむを得ない。
狭くすると、波形にノイズが乗っていたときにわかるようになるので、こちらの方が実際の波形がわかりやすいのだけど。
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■元の波形
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■0.1uFの追加場所
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センター周波数の落ち込みについて
 センター周波数の落ち込みは、1つはログアンプの入力のDCカットコンデンサー容量が小さい点がひとつ。もう1つは周波数が低いとログアンプ自体のリプルが大きくなる点がある。
ログアンプ(AD8307)のデータシートには低周波用に入力を10uF、OFSに1uF,出力に1uFを入れる案がある。ただし、100mS程度の時定数をもつとある。
 現状のログアンプの出力をオシロで測定してみた。そうすると4mS周期で周波数を切り替えてリードしており、頭の約0.5mSで周波数を変更してロックされ、その後3mSでマイコンが平均化してリードしているようである。


■ログアンプの入力コンデンサを1000pF→0.1uFに変更後の波形
元の1000pFの波形と比べると落ちだす幅が±20KHz→±2.5Kでかなり狭くなる。
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■拡大波形
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■元の1000pFの波形
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■LOGアンプの入出力の波形(低周波時)
この波形から、低周波の場合、LOGアンプの出力は全波清流の平滑不足の波形となっている。
原理的には、平滑コンデンサを追加すればきれいにできそうな波形となっている。
しかし、当然ながら、安定化して3mS程度しか時間が無いので、500Hz程度が限界と思われる。
これ以下を見ようとしたら、マイコンで読み込み時間をもっと増やす必要がある。
当然その場合は、読み込み時間も時間が必要なので、工夫しないと無駄に時間がかかりそう。
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読み込み開始時間と、読み込み時間は不明なので実験してみる必要があるがコンデンサで平滑化することである程度低い周波数まで対応できそうだが、単純容量を大きくすると周波数切り替えの頭のごみの1mSが邪魔をしそうである。対応方法としては以下がありそう。

①時定数を1mS程度の平滑化をする。
  この場合は最低周波数は1KHz~3KHzとなりそう。
  それでもいまの±300KHz程度からみれば大幅に改善できる。

②元のSG部の発信開始から1mS後から発信が停止するまでMAX HOLD回路を作る
 この方法ならマイコンの読み込み開始時間が後半の1mS以降にあれば約1mSで1回ピークがくればMAX HOLDされる。これなら500Hz程度まで見ることができると思う。

③マイコンファームを作り直す。
一度等間隔でスキャン後に落ち込み部を再スキャンする。これなら30Hz程度までは落とせそう。
  そして30Hz以下は読まなくしてつないでしまう。
  ただ、マイコン書きこみ用のUSBアダプタを手に入れて、プログラムも作らないと・・・・。

ダイナミックレンジの確認
  ためしにログアンプの出力にDC電圧をいれてみた。
  電圧  表示
   0.68V:-85.2dB
  1V:-72.4dB
  2V:-32.0dB
    2.5V:-12dB
    2.6:-9.14dB
 おそらくマイコンのVREFを2.6Vにしているかもしれない。
 しかし0.68V以下を入れても変化しない。

ダイナミックレンジ拡大案
 AD8307のデータシートをみるとINTピンにDC電圧を入れるとシフトできるとある。
 現状は未接続なのでデータシート上は-60dBm~15dBmでこれをシフトして-85dBとすると上記の電圧db比-85dB~-10dBで大体合っている。 とすると、可変抵抗で調整すればINTピンに電圧をいれれば直読みできるように調整できそう。あと、IMが少ないレベルでは-20dBm以下なのでLOGアンプの入力に20dB程度のアンプをいれるとよいかも。

ログアンプ1000pF→0.1uF変更時のノイズ増大問題
 ログアンプの入力を0.1uFにすることで低域が落ちにくくなることを示しましたが、この状態で全帯域をみると、以下のように、6dB~10dBノイズフロアが上がってしまうことがわかりました。
完全ではないですが、対策もあるので、次に記載します。

■ログアンプ入力を0.1uFにした時の広帯域のノイズ状況
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■ログアンプの入力コンデンサをデフォルトのままの場合。
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ログアンプ1000pF→0.1uF変更時のノイズ増大対策
ノイズ増大対策がアプリ側の設定を変更すると、改善できることが判明しました。
変更したアプリの設定は以下の通り。
interruptを0uSから100uSにすると消えました。
ただし、これによりスキャン時間が20%程度増えました。

■アプリのinterrupt設定を0uS→100uS変更画面
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■interrupt設定と1回のスキャン時間
この1回の時間 x ポイント数が全体の時間となるようです。
100uSとすると時間が増えますが、20%程度の増加なので許せる範囲か。
もっと増やすと周波数のスキャン時間が増大していく。
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■ログアンプ入力(DCカット)コンデンサを0.1uF化とinterrupt設定100uSの時の全体のノイズ
コンデンサ変更前のノイズレベルに落ちていることがわかる。
ここではさらに、ログアンプの出力にある抵抗の後の平滑コンデンサも1000pF→0.01uFにしている。
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今回のまとめ
 BWはコンデンサを追加することで容易に変更できることがわかった。
 センター周波数の落ち込みの幅はログアンプの入力コンデンサ容量を増やすことである程度は対策できるが、見た目でフラットにするにはマイコンのファームを作り直す必要がある。
また、コンデンサを大きくすると低周波ノイズが出てくるので、アプリ設定でinterruptを100uSにすると改善できることがわかった。
また、interrupt時間を変えるとADコンバータの時間がふえていくようなので、サンプルホールド回路入れれば低域の落ち込み完全になくせるかも。次回の課題です。

IMをなくせれば完璧だけど、ミキサーをDBMにすれば収まるのだろうか。

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この記事へのコメント

7K1CRZ
2018年03月07日 10:43
以前はお世話になりました。あるあると聞いていた、WinNWT5を見つけました。最近の版は17-11-22だそうです。ID=guest、Pwd=なしで!こちら。http://www.asobol.ru/software/winnwt5
2018年06月09日 18:40
7K1CRZさん。
返事がおくれてすみません。
WinNWT5ソフト動作確認しました。設定についてはNWT4と同じ設定で動作することを確認しました。
2018年08月19日 20:31
7K1CRZさん。
シェアウエアでそのままではつかえないようです。
メールでアクティコードもらえるのでしょうか。
それとも$10で購入しましたか。
7K1CRZ
2018年08月20日 18:20
お返事ありがとうございます。
とりあえずパソコンのMacアドレスとアクティベーションコードを開発者にメールしてみて下さい。3か月の試用ができます。その間にお金を払うか決めれば良いと思います。(実は試用期間が終わって困っていたところでした…)。
7K1CRZ
2019年06月21日 05:16
ご無沙汰しております。
もしかしたらUpDateされたかも知れませんが、VMA Simple Spectrum Anaも最近の販(4/23販)では割合、帯域が狭い場合に波形中央のノッチを消せるようになりました。右側にチェックボックスがあります。ご参考に♪

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